エクゼクティブサマリーのテンプレート
ビジネス文書が長くなる場合は、冒頭でエクゼクティブサマリーを示すのが最適です。エクゼクティブサマリーでは文書の重要なポイントを全て列挙し、大まかな内容が分かるようにしましょう。
エクゼクティブサマリーには、主に次の2つの役割があります。
● 文書の詳しい内容に目を通す前に、あらかじめ大まかな内容を読者に知らせ、全体的な理解を助ける
● 企業の経営幹部など、多忙で文書全体に目を通す時間がない読者に対して、重要なポイントを短くまとめたダイジェスト版を提供する
エクゼクティブサマリーは1~2ページ以内に収めるのが妥当です。段落の数を文書の章立てと一致させ、セクションごとに重要なポイントを簡潔に説明するようにします。
エクゼクティブサマリーは、ほとんどのタイプのビジネス文書で使用されるため、内容にはかなりの幅があります。以降では、参考として事業計画のエクゼクティブサマリーの構成について説明していますが、実際には、具体的な文書の内容に応じて調整する必要がある点にご留意ください。
HubSpotからのアドバイス:文書を作成する際、エクゼクティブサマリーは最後に作成しましょう。そうすることで、文書全体の重要なポイントを網羅した、一貫性のあるセクションを作成できます。
序文
ビジネス文書を作成する際は、序文から始めましょう。序文は、これから述べることについて読者に予備知識を与える部分です。背景情報を提供して文書の流れをスムーズにし、ポイントを理解しやすくします。
エクゼクティブサマリーの場合、序文は1~2段落に抑えましょう。このセクションの最後では、印象に残る明快な表現を使用して対象のプロジェクトとその目的について説明するとともに、潜在顧客や出資者にプロジェクトがもたらすメリットを示します。
HubSpotからのアドバイス:文書の内容が複雑な場合でも、序文はシンプルで秩序立てたものにしましょう。序文を明瞭にすることで、スムーズに読み進められ、理解しやすくなります。
企業概要と事業計画
自社について簡単に説明します。企業名、提供している主な製品やサービス、顧客企業の概要や所在地を記載しましょう。
次は、自社が提案する事業計画と、それが出資者および顧客にもたらす価値について説明します。これは基本的に、出資者を惹きつけるために使用する「エレベーターピッチ(売り文句)」の文書版と考えることができます。2~3文にまとめましょう。
HubSpotからのアドバイス:自社の製品やサービスについて伝えたいことはたくさんあると思いますが、ここは簡潔にすることが重要です。特に重要なポイントのみを取り上げ、文書本体の該当するセクションで詳しく説明するようにしましょう。
業界と市場の分析
ここでは、業界の主要なトレンドと自社の競争優位性について言及します。自社がターゲットとする顧客について簡単に説明した後、競合企業の製品/サービスと比べて自社の製品/サービスが優れている点を挙げます。
HubSpotからのアドバイス:顧客の抱えるニーズを満たすためにどのような計画を立てているかについて、また、他社ではなく自社を選ぶメリットについて重点的に説明しましょう。
経営陣と企業運営
自社の経営陣に関する特筆すべき重要な情報を紹介します。例えば、自社の創業者やCEOの資質や意欲などを取り上げるとよいでしょう。経営陣のプロフィールは後ほど文書本体で紹介するため、ここでは簡単な言及にとどめます。
次に、日常的なビジネスの運営を振り返り、運営状況に関する概略を記載します。読者にアピールできるような、特定の手法やベストプラクティス、経営方式を採用している場合には、ここで取り上げましょう。
HubSpotからのアドバイス:詳しい説明は必要ありません。代わりに、自社の経営方針や日常的なビジネスの運営状況についての概要を伝えるようにしましょう。
プロジェクトの実施とマーケティング
事業または新しい製品やサービスの展開について、タイムラインを示します。具体的には、プロジェクトの重要な節目とそれぞれの実施スケジュールを記載します。
また、事業の展開を開始したら、そのことを周知する必要があります。製品やサービスの宣伝方法を簡単に説明してください。顧客にリーチする方法や、使用予定の主なコミュニケーションチャネルを記載します。
HubSpotからのアドバイス:プロジェクトの重要な節目を示すと、製品やサービスのリリースまでの流れを読者が把握しやすくなり、自社からの出資依頼に対して、さらに多くの判断材料を提供できます。
財務計画
文書に多くの財務情報が含まれていると、エクゼクティブサマリーにどの情報を盛り込むかを判断するのが難しい場合があります。
ここで大切なのは、この文書の目的を考えることです。出資者を募ることであれば、現時点でどのくらいの出資額が集まっており、あとどれだけの資金が必要かを記載します。自社の良好な経営状態について知らせるのが目的であれば、ビジネスの成長を示す実績値を強調しましょう。詳しい内容については、後ほど文書本体で説明するようにします。
HubSpotからのアドバイス:検討すべき重要な数値としては、全体的な予算、製品やサービスの単価、自社の財務予測などが挙げられます。
まとめ
プロジェクトの全容を2~3文で要約します。ここでは、自社の「エレベーターピッチ」を別の言葉に言い換えて繰り返してもよいでしょう。
エクゼクティブサマリーは読者に対し、自社のプロジェクトの概要をしっかりと伝えると同時に、残りの文書を読んで詳細を確認したいという気持ちを呼び起こすものである必要があります。簡潔かつ説得力のある文章でまとめます。
HubSpotからのアドバイス:まとめは1段落以内にしましょう。