当社ランスタッドでは人材派遣サービスを展開しているのですが、もともとはBtoB(企業向け)領域でのリードナーチャリングを目的にMA導入を検討していました。様々なMAツールを比較してみたのですが、オランダの本社を始め、他国の拠点でも続々とHubSpotを導入し、評判も良かったんです。それなら日本でも、ということで2019年5月にMarketing Hubを導入しました。
当初はBtoB領域だけでの利用を考えていたのですが、他国の状況を聞いていると、スペイン始めヨーロッパ各国でBtoC(求職者向け)の施策も実施しているらしく、日本でもトライしてみようかと考えました。というのも、求職者とのコミュニケーション手段に課題を感じていたからなんです。
基本的にメールや電話、ショートメールで連絡を取っていたのですが、なかなか反応していただけなくて。当社の派遣サービスに登録してはいただいたものの、案件とマッチせずにただ籍を置いているだけのスタッフさんがどんどん増えている状態だったんですね。
どの手段が一番コミュニケーションしやすいかと考えた時、日本であればやはりLINEだなと考えたんです。HubSpotのLINE連携をサポートいただけるパートナーさんにも協力していただき、HubSpotのCRM、Marketing HubとLINEアカウントのシステム連携を実施しました。ランスタッド側では特に複雑な作業は必要なく、想像以上にスムーズに完了できました。
これまでは電話やメール、SMSといった従来の方法で定期的に時間と工数をかけて、登録者の方に現在の就業状況や求職状況を確認していました。ただ、なかなか折り返し連絡がなかったり、SMSですら返信率はよくて20%程度にとどまっていました。
そこから、国内の拠点ごとにLINEアカウントを開設。新規登録いただいた求職者の皆様にLINEアカウントをご紹介しているのですが、紹介するとだいたい7~8割の確率で友達登録していただけます。登録いただいた方の平均返信率は80%前後。予想以上に数値が良くて驚きました。ほぼリアルタイムで返信していただけるのも魅力です。
また、LINE上でのリアクションは自動的にHubSpot CRMに反映されるので、都度入力する手間が大幅に削減されました。
求職者の方と連絡が取りやすくなったことで、案件とのマッチング率にも変化が出てきています。LINE登録されていない方の平均マッチ率は15%なのに対し、登録いただいている方の平均マッチング率は26%と約10ptの差が出ています。
HubSpotとLINEを連携した運用は、運用側のメンバーだけでなく、求職者の皆様にもご好評いただいています。定期的に、当社の業務に関するアンケートをとっているのですが、LINEを軸にしたコミュニケーションに対しては、利用されているほとんどの方に満足いただいています。
電話だと日中は出れない場合が多いし、メールはほとんど見ないし、返信するにも文面に気をつかわなければいけないから面倒だと感じる方が多いんですよね。一方、LINEなら比較的すぐ気づくし、返事も気軽に送れる。どのチャネルよりもハードルが低くて、負荷が少ないというお声をよくいただきます。そうやって、求職者の皆様に満足いただいていれば、自然と当社とのエンゲージメントも上昇していくはずです。運用側としても、求職者の皆様が今どのようなステータスなのか、案件を受け入れる体制にあるのかなどを把握しやすくなったのは本当に良かったと感じています。また、CRMに行動履歴が蓄積されているので、いつ誰でも状況を理解できる環境を構築できてとても助かっています。
今後も、運用の効率化を推進しつつ、求職者の皆様の意見を取り入れながらより快適に使っていただけるよう改善していきます。