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業種別ガイドシリーズ

AIの時代に生かせる
つながり創出ガイド

製造業界でビジネスの成長を促進する方法

製造業向けガイド

AIの普及に伴い、マーケティング、営業、カスタマーサポートの方法を見直す時期が来ています。この新しいガイドでは、製造企業の皆さまが、大勢の顧客と有意義なつながりを構築してビジネスの成長を促進できるよう、分析情報と戦略をご紹介いたします。
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はじめに:カスタマージャーニーは変化している

「分断の危機」によって世界は変化し、AIが登場した今、その変化はさらに加速しています。

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付録:現状把握チェックリスト

AIの時代において成功を収めるには、顧客との有意義なつながりが欠かせません。しかし、どの程度つながりを築けているかが分からなければ、最善は尽くせないでしょう。このチェックリストでは、顧客とのつながりの現状だけでなく、改善に向けた実用的なステップも把握することができます。※現在英語版でのご提供となります

はじめに

カスタマージャーニーは変化している

私たちは今、大きな変革の時を迎えています。

2022年、HubSpot最高経営責任者(CEO)のヤミニ・ランガンは「分断の危機」という言葉を用い、消費者行動、データ、テクノロジーの変化が、多くの企業が直面している成長鈍化の要因であると指摘しました。

「データシステムの連携」「社内チームの連携」「見込み客や顧客とのつながり」のいずれかまたは全てについて、理想的な状態にないと答えたビジネスリーダーは93%(英語)に上ります。

顧客が利用するチャネル、購入プロセス、情報共有の方法は、どれも多様化しています。さらに、企業がアクセスできる消費者データ、入手できるデータの質、そのデータに基づいて求められる行動も、全て変わりました。従来のやり方では、顧客が望むチャネルや状況に合わせて対応できなくなっており、その結果、リードジェネレーション(見込み客の創出)が失速し、営業活動への反応率や顧客維持率が低下しています。

端的に言えば、これまで顧客とつながるために採用していた戦略はもはや通用せず、企業はどうにか成長を遂げようと苦心しているのが現状です。

ランガンはその解決策として「顧客とのつながり」を挙げました。ここで言う「顧客」とは、既存顧客だけを指しているのではありません。HubSpotで「顧客とのつながり」という言葉を使う場合は、既存顧客と潜在顧客の両方を含めた市場全体を想定しています。

最近、顧客とのつながりを築く方程式に新たな要素が加わりました。ニュースで取り上げられることも多いため、ビジネスへの影響を感じ取った方もいらっしゃるでしょう。そう、生成AIです。刻一刻と既存のカスタマージャーニーに大きな変化をもたらしており、その過程で顧客とつながる方法にも影響を及ぼし始めています。

「分断の危機」によって世界は変化し、AIが登場した今、その変化はさらに加速しています。

インターネットが数十年でどれほど進歩したかを考えてみましょう。それぞれのフェーズで新たな可能性が開かれ、生活やコミュニケーションの方法ががらりと変わりました。

このような変化は素晴らしいチャンスをたくさん生みだします。

市場投入戦略で一歩先を行くには、今が絶好のタイミングです。最初は世の中の変化に不安を覚えるかもしれません。しかしこれは、顧客と有意義なつながりを築く新しい方法が登場したことを意味し、新たな戦略をじっくりと考え、組み立てていく最前線に立つチャンスです。

AIを利用すれば、インテリジェンスをもっと活用できるようになり、誰でも簡単に状況を把握して、推論を行い、成果に結びつく行動を起こせるようになります。

おそらく大半の企業が、最初のAI戦略を誤るでしょう。初めのうちは、価値に重きを置かずに次から次へとコンテンツを量産したり、効率を重視するあまり最適化によって効果を高める機会をおろそかにしたりしがちです。その結果、分断の危機を悪化させてしまうことになります。

もっとも、そうした事態を避けることは不可能ではありません。

正しい戦略を理解すればよいのです。

HubSpotの目標は一貫してお客さまのビジネスの成長を支援することです。そのため、本ガイドはAI時代における新しいカスタマージャーニーのあらゆる段階で顧客とつながる最も効果的な方法について理解を深めていただけるように作成されました。HubSpotは、お客さまが顧客とつながる方法を見いだせるようにお手伝いし、そのためのソフトウェアだけでなく、戦略やアプローチをご提案することにもこだわっています。

そして、アドバイスを提供するには、最も貴重な情報源を参考にするのが最善という結論に至りました。それはHubSpotを実際に利用して卓越した成果を実現しているお客さまです。

そこで昨年、HubSpotのお客さまのうち成長を続けている上位20%の企業が、顧客と有意義なつながりを構築するためだけでなく、そのつながりを生かしてビジネスの成長を促進するためにどのようなことを実践しているのかを詳しく調査しました。

HubSpotでは、この注目すべきグループを「コネクター」と呼んでいます。

 

コネクターとは? HubSpotのお客さまのうち、成長戦略において顧客と深くつながることを優先している成長企業の上位20%を、HubSpotでは親しみを込めて「コネクター」と呼んでいます。このような傑出した企業は、「顧客との有意義なエンゲージメント」が単なる流行り言葉ではなく、持続可能な成長や長期的な関係構築を促す大きなきっかけになることを理解しています。

 

本ガイドでは、コネクターから得られた知見と、絶えず変化する現代のビジネス環境で成長するためにコネクターが実践していることをご紹介します。また、「つながりによる差」に注目し、顧客とのつながりが企業の成長にどれほどの影響力を持つのかについても取り上げます。さらに、こうした知見を踏まえたさまざまな観点から、顧客との関係構築戦略にAIを活用する方法も考えていきます。

それでは始めましょう。

 

 

第1章

AIを正しく理解する

前述のように、AIの登場によってビジネスの世界にはいくつもの面でワクワクするような変化が起きています。

概して、AIは驚くほど優秀なコンテンツ作成ツールとして利用でき、その強みを生かせば公平な条件で競争できるようになります。例えば、HubSpotのAIツールであるコンテンツアシスタントとChatSpotは、どちらもOpenAIのAIチャットボットであるChatGPTが使用しているのと同じ大規模言語モデルを利用しています(ただし、利便性を考慮してHubSpotポータル内に直接パッケージ化されています)。

ここで真っ先に「効率や量を重視した戦略を実施すればよいのでは?」と思った方もいらっしゃるでしょう。というのも、今まではそれが当たり前の考え方だったからです。従来のソフトウェアもそうした戦略を後押しするために提供されてきました。

確かに、AIを使えばコンテンツの作成量を増やして効率化を図れるでしょう。しかしこれは最初に陥りやすい間違いです。AIを正しく活用し、顧客とのつながりを深めて成長を促進するための最善策ではありません。一定の効果は見込めるかもしれませんが、本当に重視すべきなのは、エンゲージメントの価値を高め、顧客に利益をもたらし、顧客が望む成果を多く達成できるように支援するためのAI活用方法を見つけることです。

つまり、AIを使いこなして顧客とのつながりや成長を促進するには、量より価値、効率より効果が重要なのです。

量より価値

土台となる戦略を綿密に立てないままにAIを使ってコンテンツを量産してしまうと、顧客の間にはデジタル疲れ、ひいてはデジタル離れが起きるでしょう。

HubSpotのコネクターの1社であるMasterMoverは、もっと効果的なAI活用方法を見つけ、成果につなげています。

当社が心がけているのは、スピード重視でひたすらコンテンツを量産することではなく、質の高いコンテンツの作成に力を注ぐことです。それを実現するためにAIを導入しています。文章を書くのが得意ではない同僚がEメールシーケンスを作成しようとするとき、AIは素晴らしい味方になるでしょう。AIを活用すれば、自然な文章の作成をもっと効果的に行えます。

Jonathan Dolby

MasterMover

効率より効果

「量より価値」の戦略を立てたら、次はAIを活用してリソースの力を最大限に引き出す方法を考えましょう。

AI活用は、使うリソースを減らすのではなく、増やす施策です。AIは既に十分な能力を備えたチームに追加で投入するリソースであり、営業、マーケティング、カスタマーサービスの各チームは処理量が増えるだけでなく、最適化を通じてそれぞれの役割をさらに効果的に果たせるようになります。そのためAIによって公平な競争が促進され、事業規模が小さい企業でも競争に打って出て優位に立つチャンスを得られます。

当社はChatSpotやChatGPT、コンテンツアシスタントのようなツールを、発想の起点として利用しています。AIツールを活用して大枠を固めることで、スムーズに作業に取り掛かれます。ただし、その後必ず、人間の担当者によって関連性のある具体的な詳細情報を追加しています。これが当社にとって最適な活用方法です。

Chelsey Puckett氏

デジタル マーケティング マネージャー

Neurolens

第2章

製造業界のコネクターによるAIの活用方法

量より価値、効率より効果という考え方をお分かりいただいた上で、HubSpotのお客さまがそれをどのように実践しているかを見てみましょう。コンテンツアシスタントがどのような形で「多くのリソースでさらに多くの成果を生み出す」ことを可能にしているかを把握するために、製造業界のコネクターによる利用状況を詳しく調べました。

コンテンツアシスタントの早期導入の使用パターン
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解説:このグラフは、Marketing Hub Professional/EnterpriseおよびSales Hub Professional/Enterpriseを契約し、2021年から2022年に取引機能を活発にご利用いただいたお客さま(n=8,682)のデータに基づいたものです。

グラフからまず分かるのは、製造企業は文章をゼロから作成する代わりに、「展開」や「書き換え」の機能を使用している割合が非常に高い(英語)ということです。製造業界のコネクターは、AIの利用方法を正しく理解していると言えるでしょう。アウトラインや大まかな下書きを作成した後、AIの書き換え機能を使って練り直したり専門的な情報をさらに追加したりして、コンテンツの完成度を高めているのが特徴です。

次に、製造企業では、専門的なトーンや教育的なトーンに調整するためにコンテンツアシスタントを利用している割合が高くなっています。多くのコネクターが、顧客の期待に沿うよう、コンテンツアシスタントの文体調整の機能を利用しています。

AIを活用することで、製造企業はその大きな潜在能力を引き出し、コンテンツ作成プロセスの合理化や、有益な情報を盛り込んだ魅力的でプロフェッショナルなコミュニケーションが可能になります。コネクターは、AIが人の専門知識や技能に取って代わる存在ではなく、人の能力を補完、強化するものと認識しています。

製造企業によるAI活用の大規模計画

製造業のコネクターに、今後AIを活用して他にどのようなことを始めたいかについても尋ねました。回答として挙げられた主な目標を以下にご紹介します。

→ 生成AIを日々のマーケティング活動に取り入れることで、もっと教育的で専門的な内容になるようコンテンツをレベルアップし、自社の専門知識をアピールしてオーディエンスの心をつかみたい

→ エコシステム内の全員がノウハウや営業テクニックなどの情報にアクセスできるよう、販売店ネットワーク向けのコンテンツとトレーニングを作成して、社内の中核チーム以外の関係者でも簡単にトレーニングを受けられる環境を整備したい

→ 営業担当者による潜在顧客や見込み客への働きかけの質を向上できるよう支援したい

第3章

顧客とのつながりは成長の推進力

現代のビジネス環境では、成長の促進に欠かせない要素として「つながり」の重要性が注目されています。AIによる変革の時代から顧客とのつながりへと焦点が移行していく中で、企業は顧客との有意義な関係を構築し、確かなつながりを醸成することが最優先課題であると認識しつつあるようです。 

企業はこれまで以上に顧客起点の戦略を優先し、人とのつながりが生み出す力を活用して、成長と成功に向けた新たなチャンスを開拓する必要があります。
つながりが今までになく重要視されているのは、成長の推進力として無視できない要素になってきているからです。

さまざまな業界のコネクターからお話を伺う中で、「つながりによる差」が発生していることが分かりました。HubSpotの上位コネクターの成長率はベースラインの企業よりも29ポイント高くなっています(英語)。

別の言い方をすれば、成長戦略において顧客とのつながりを優先していないベースラインの企業と比べると、コネクターの成長率はその5倍に上ります(英語)。

 

つながり行動の浸透度と前年比成長率

2022年の成約件数の前年比増加率(%)

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解説:このグラフは、Marketing Hub Professional/Enterprise、Sales Hub Professional/Enterprise、またはService Hub Professional/Enterpriseを2年以上ご利用いただいているお客さま(n=5,484)によってHubSpotのCRM内で「成約」ステータスに設定された2022年の取引件数を2021年と比較した増加率の加重平均に基づいたものです。


製造業だけに絞ると、つながりによる差はさらに顕著になります。

製造業のコネクターとベースライン企業の成長率には、実に40ポイント(英語)の差が生じています。さらに、コネクターと下位20%の企業との間には、50ポイントもの大きな開きがありました。

顧客とのつながりの構築に長けた製造企業は、
競合他社をわずかに上回る程度にとどまらず、比べ物にならないレベルの成果を実現しています。

つながり行動の浸透度と前年比成長率

2022年の成約件数の前年比増加率(%)

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解説:このグラフは、Marketing Hub Professional/Enterprise、Sales Hub Professional/Enterprise、またはService Hub Professional/Enterpriseを2年以上ご利用いただいている製造業界のお客さま(n=336)によってHubSpotのCRM内で「成約」ステータスに設定された2022年の取引件数を2021年と比較した増加率の加重平均に基づいたものです。


顧客とのつながりに注力すれば結果が付いてくるのは明らかです。

AIの登場により、このつながりによる差を解消する多くの糸口が生まれています。コネクターは今後どのような展開が待ち受けていても対応できるよう、既にAIを試験的に導入しています。

実際、コネクターは一般のグループと比べてHubSpotのAIツールを試用する傾向が約2倍高く(英語)、新しいつながり支援機能をいち早く採用していることがうかがえます。今のうちにAIを試して、将来に備えているというわけです。顧客とのつながりがかつてないほど重要になっている現在、コネクターは進むべき道を切り開いています。


製造業界でつながりを構築する

製造業界の上位コネクターへの調査からはっきりしたことは、全てのコネクターが、顧客とのつながりは競争上の強みになると考えていることです。

顧客とのつながりは、現代の世界ではあったほうが良いものではなく、必要不可欠なものになっています。

しかし多くの企業は依然として、市場、見込み客、既存顧客から得られる豊富なデータを活用しておらず、目の前にある貴重な知見を引き出せていません。データに基づいた行動が成長を促進する鍵となることは、コネクターの実績を見れば明らかです。

 

懸命に取り組むことが何より大切です。下調べをしていること、懸命に励んでいること、試行錯誤や配慮を重ねていることが顧客に伝われば、そこにつながりが生まれ、顧客にも強い関心を感じてもらえるようになります。やるべきことに力を注げば、顧客との関係構築が大いに促進されます。

Paul Lemos

プリンシパル カスタマー オンボーディング スペシャリスト

HubSpot

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要するに、顧客とのつながりを優先事項としてこなかった製造企業の皆さまは、今こそ対応に乗り出す時です。

その際は細部にまで気を配ることが大切になります。HubSpotのカスタマー サクセス マネージャーを務めるMatt Galloは、担当各社はささいな事柄にも丁寧に対応することで、数々の成果を挙げていると語ります。

例えば「ご利用開始から1年が経過しました」というEメールにクーポンコードを添えて送信するワークフローを設定して、導入1周年を知らせるのも一案です。顧客との接点を戦略的に作り続けている企業は、強固なつながりの構築に成功しています。

Matt Gallo

カスタマー サクセス マネージャー

HubSpot

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見込み客や顧客と有意義なつながりを育む仕組みを取り入れ、貴重なフィードバックを活用しつつ、改善に向けた社内のプロセスに見込み客や顧客を巻き込みましょう。そうすることで、成長を促進し、仲間意識を醸成でき、他社と一線を画すようになるはずです。

第4章

カスタマージャーニーの見直しが必要

カスタマージャーニーと顧客とのつながりは、言うまでもなく密接に関連しており、AIはその顧客体験全体を作り変えようとしています。カスタマージャーニーの各ステージから、その変化が見て取れます。


発見ステージ

検索結果をクリックしてもらうという従来の手法から、ソーシャルメディア上でのインタラクティブでパーソナライズされたアプローチへの大きな転換が予想されます。顧客は企業の情報を検索エンジンで探すのをやめ、代わりにAIに指示を出して、具体的なニーズに的確に応えるカスタマイズされた情報を受け取るようになるでしょう。パーソナライズされた動的なコンテンツ体験への移行により、顧客は自分の固有のニーズに正確に一致した情報を入手できるようになります。その結果、効率的かつ有意義な発見が可能になり、カスタマージャーニーは最初の段階から強化されます。


検討ステージ

動的でパーソナライズされたコンテンツの出番が増えるでしょう。顧客は静的で画一的なコンテンツではなく、自分に合わせて最適化されたコンテンツに心惹かれます。生成AIを搭載したボットの登場により、個々のニーズに合わせた情報が提供しやすくなるため、全ての顧客にレスポンシブなデジタル体験がもたらされます。このような変化を通じて細やかで有意義なやりとりが可能になり、顧客はダイレクトメッセージやSMSといった任意のチャネルから情報を入手できるようになるでしょう。その結果、検討ステージでは訴求力や関連性が向上し、顧客と営業担当者の結び付きが強くなります。

購入ステージ

革新的な転換を求める傾向はさらに顕著になるでしょう。顧客の要件を定義する際に、営業担当者が顧客固有のニーズや好みについて限られた情報しか持たないまま平均的な対応をしていては、もう顧客を満足させることはできません。AIを活用した分析とインサイトを駆使すれば、営業担当者はそれぞれの顧客に関してパーソナライズされたインテリジェンスを新しく入手し、それを基に効率的かつ効果的なアドバイスを提供できるようになります。適切なアドバイスを提供できると、購入プロセスが加速され、長期的に見れば顧客と強固な関係を構築することにつながります。購入ステージの焦点は、単に顧客の要件を明らかにすることにとどまらず、顧客のニーズを包括的に診断することに移っており、セルフサービスでの購入プロセスの効率化や、簡単な支払い方法の提供などが必要になります。

使用ステージ

事後対応型のサポートでは問題解決に時間がかかりがちですが、AIを活用すれば先回りで対応できるようになります。AIによる自動化とサポートのパーソナライズによって、シームレスで良質な顧客体験が実現されるでしょう。ユーザーに関するインサイトや顧客対応ボットを通じて、顧客は迅速なサポートや先回りのサポートを受けられるようになります。AIによってシームレスで良質な顧客体験が当たり前になり、顧客は望み通りの結果を得やすくなるとともに、必要な場合にはさらに良い解決策に切り替えることも可能になります。使用ステージでの焦点は、顧客が成功を収め、目標を簡単に達成できるように支援することです。

成功にはカスタマージャーニー全体にわたる関係構築が不可欠


急成長を遂げているコネクターの共通点は何でしょうか。それは、カスタマージャーニー全体、カスタマープラットフォームを使用する全ての業務において、顧客との信頼関係の構築に注力している点です。

カスタマージャーニーの5つ全てのステージで顧客とのつながりを創出するために働きかけを行った企業は、1つのステージに焦点を絞った企業に比べて、成長率が平均で19ポイント高くなっています(英語)。

 

働きかけを行うカスタマージャーニーのステージ数と成長率の伸び

成約件数の前年比増加率の中央値(%)

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解説:このグラフは、Marketing Hub Professional/Enterprise、Sales Hub Professional/Enterprise、またはService Hub Professional/Enterpriseを2年以上ご利用いただいているお客さま(n=5,484)によってHubSpotのCRM内で「成約」ステータスに設定された2022年の取引件数を2021年と比較した増加率の中央値に基づいたものです。


このデータから分かるように、顧客とつながるための戦略が必要なのは1つの部署だけではありません。全社を挙げてカスタマージャーニー全体の戦略として取り組むことで、見込み客や顧客とのあらゆるタッチポイントにおいて大きな効果が期待できます。

数字は嘘をつきません。顧客に認知されてから購入後に満足してもらうまで、全ての接点で顧客とのつながりの創出に力を入れている企業は、実際に成功を収めています。

さらに興味深いのは、働きかけを行ったライフサイクルステージ数が多くなるほど、さらに成長が見られる点です。働きかけるステージを1つ増やすと、元のステージ数で達成されたよりも成長率の伸びが大きくなります(英語)。働きかけを行うライフサイクルステージを1つから2つに増やすと、成長率は3.5ポイントも上昇します。4つから5つ全てに増やした場合、成長率の伸びはなんと6.4ポイントです。

 

このような複利的な効果を踏まえれば、ライフサイクルの各ステージがビジネスの全体的な成長に貢献していることは間違いないでしょう。

ビジネス全体を通じて顧客との関係構築を優先している企業は、今まさに顧客と有意義なつながりを育んでいます。しかも、普通の成功ではなく、大きな成功を勝ち取ろうとしています。

利用する機能が多いほど、深いつながりを築ける

顧客との深いつながりを醸成するには、カスタマージャーニーのステージごとにさまざまな機能を駆使して働きかけるという方法も有効です。

その証拠に、コネクターはカスタマージャーニーの各ステージでベースラインの企業よりも多くの機能を使用し、積極的に顧客に働きかけています(英語)。


カスタマージャーニーの各ステージの使用機能数と前年比成長率

成約件数の増加率(%)

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解説:このグラフは、Marketing Hub Professional/Enterprise、Sales Hub Professional/Enterprise、またはService Hub Professional/Enterpriseを2年以上ご利用いただいているお客さま(n=5,484)によってHubSpotのCRM内で「成約」ステータスに設定された2022年の取引件数を2021年と比較した増加率の加重平均に基づいたものです。

 

さらに、上位のコネクターは平均的な企業に比べ、顧客に働きかけているライフサイクルステージの数が多いことが分かっています。

HubSpotを利用している製造企業のうち、カスタマージャーニー全体の5つ全てのステージで積極的に顧客と関わっているのは42%ですが、製造業界の上位コネクターの割合で見ると92%まで増加します(英語)。


これは、最初のタッチポイントから購入後のサポート、さらにはそれ以降も顧客との有意義なつながりを構築することでプラスの効果がもたらされていることを如実に表しています。

HubSpotの機能を存分に活用し、顧客エンゲージメントへの包括的なアプローチを取り入れることで、企業は業績を向上させ、深いつながりを醸成し、競争の激しい環境で他社と一線を画すことができます。

カスタマージャーニー戦略の最適化を検討してはいるものの、何から始めればよいか分からないという方も、ご安心ください。以降では、HubSpotを最大限に活用している製造業界の上位コネクター数社の事例を詳しくご紹介します。時代を先駆ける企業の実例は、きっと参考になるはずです。

話を進める前にいったん、自社のカスタマージャーニーのどの部分の強化、改善に注力すればよさそうか考えてみましょう。

以下にご紹介する製造業の上位コネクター3社は、カスタマージャーニーを見直し、重点分野をいくつかに絞り込んでいます。自社のカスタマージャーニーで特に改善が必要なステージをよく考えた上で、3社の事例をご参照ください。それぞれの企業では、成功のためにどのようなことに注力しているのでしょうか。

まずはMasterMoverから、カスタマージャーニーを支えるマーケティング施策を強化するための取り組みについて伺いました。次に、カスタマージャーニーの営業面を焦点にしたGarrett Metal Detectorsの施策を取り上げます。最後に、Transforceによるカスタマージャーニーの最適化の例を紹介します。同社は営業チームとマーケティングチームの連携強化に投資することで、カスタマージャーニー全体の推進力向上を図っています。

 それでは、確認していきましょう。

MasterMoverは、重量物を安全に運搬するための電動けん引機の製造で知られる企業です。練り上げられたカスタマージャーニー戦略を駆使し、市場での地位を確立してきました。同社のマーケティング活動の中核を成すのは、ターゲットオーディエンスに自社製品の独自の価値を伝える、有益で学びの多いコンテンツを作成することです。

信頼の構築や同社ソリューションの価値説明を目的としたコンテンツを作成し、潜在顧客がMasterMoverと最初に接触した瞬間から、厳選したコンテンツを提供しています。 

具体的なメリットを強調し、魅力的なソーシャルプルーフ(社会的証明)を示すことで、製品に対する顧客の信頼を効果的に育んでいます。また、カスタマージャーニーの段階ごとに専用のコンテンツを用意することの重要性を理解しているため、あらゆるタッチポイントで顧客の疑問や懸念に対処しています。

MasterMoverの大きな強みは、世界各国での素晴らしい実績を見込み客や顧客に紹介できることです。顧客アンケートを実施し、包括的な取引管理を顧客体験に組み込むことによって、精力的に実績をまとめて有効活用しています。

「当社が誇る世界中のお客さまとの取引実績を明確に打ち出すことで、検討中の皆さまに大きな信頼を寄せていただけるものと考えています。当社はコンサルティングセールスを取り入れており、お客さまが望む製品をそのまま販売するのではなく、お客さまのニーズを正確に把握することを非常に重視しています。そのため、アンケート調査を実施するとともに、取引管理を通じて顧客体験の最適化に努めています」
-- MasterMover、Jonathan Dolby氏

次のGarrett Metal Detectorsの事例もとても参考になるので、詳しくご紹介します。

Garrett Metal Detectorsは金属探知機のメーカーとして名高く、創業60年以上の歴史を誇る家族経営の企業です。同社は、ビジネスの成長を促進するにはカスタマージャーニーの強化が大切であると認識しています。 

訪問者による自社ウェブサイトからのフォーム送信が絶え間なく続いているおかげで、「認識」と「潜在見込み客」のステージについては既に高い実効性が確立されている一方で、「見込み客」と「取引」のステージには、てこ入れを図って営業プロセスを合理化する必要があることが分かっていました。

そうした中、HubSpotのミーティングリンクの機能を導入したことで、事態は大きく好転します。ミーティングリンクによって同社の営業アプローチは画期的に進化し、飛躍的な効率化を遂げ、顧客とのつながりが大幅に強化されました。社内の業務効率が上がっただけでなく、顧客1人ひとりに合わせた有意義なコミュニケーションが図れるようにもなりました。つまり、営業担当者が顧客と円滑にやりとりできるようになったのです。

製造業の上位コネクターは、営業チームの打ち合わせ予約を増やすことだけに注目しているわけではありません。ミーティングのコンバージョン率を高めるとともに、ミーティング予約に関する担当者の負担を減らすために、ソフトウェアを活用しています。

「HubSpotのミーティングリンクにより、作業時間を80時間から40時間に減らすことができました。
ミーティングリンクの導入前は、商談相手を延々と追いかけていました。必要な作業を全て終わらせようと、明け方まで見積書を作成していたこともあります。当時は1日40~50件だった架電数が、今では10件になりました。しかも、自ら打ち合わせを希望して予約を入れてくれた確度の高い見込み客ばかりです。営業担当者として、こんなにうれしいことはありません」

-- Garrett Metal Detectors、Michael Womack氏

顧客との深いつながりを構築することがいかに大きな変化をもたらすかを知っていただくために、Garrett Metal Detectorsからもう1つの例をご紹介します。

Garrett Metal Detectorsは営業活動だけでなく、購入後の顧客の意見を取り入れることに関しても如才ありません。これにより、顧客は、自らが尊重されビジネスの一翼を担う存在であると感じられるようになります。

「お客さまからフィードバックを収集し、継続的な改善プロセスに参加してもらいます。この取り組みを通じて、当社がすべきことを別の観点から見られるようになりました。さらに、お客さまとの関係強化にも役立っています。お客さまには当社の一員であるかのように感じていただけて、当社の成功が大いに促進されました。お客さまに当事者意識や、ビジネスプロセスの一端を担っている感覚を持ってもらうことができます」

-- Garrett Metal Detectors、Michael Womack氏

最後にご紹介するTransForceは、トラック運送業界向けにドライバーのシフト調整ソリューションを提供している有力企業です。同社はチームワークの大切さを認識しており、営業チームとマーケティングチームのシームレスな協力体制を構築することで、コンバージョン率のモニタリングとファネルの最適化を図りました。ただし、取り組みはそれだけにとどまりません。

「当社の営業チームとマーケティングチームは緊密に連携しています。完全に循環型のモデルが構築され、ライフサイクルの各ステージに基づいてコンバージョン率を徹底的にモニタリングするとともに、常にファネルを最適化する方法を模索しています」

-- TransForce、B2Bマーケティング担当シニアディレクター、Kelly McGurk氏

同社は現在、請求サイクルをHubSpot内に直接組み込もうとシフトチェンジしています。カスタマージャーニーの「顧客」ステージにも注力することで、リード創出から請求までのシームレスな管理が可能となり、成功への早道となるでしょう。

特筆したいのは、HubSpotの魔法はカスタマージャーニーの最適化だけでは終わらないということです。HubSpotの利用によって、今までにないほどチーム同士が緊密に連携できるようになります。どの部門や組織単位でもハイレベルな透明性が確保され、きちんと油を差した機械のように、スムーズな運営が可能になります。結果として、最高のチームワークが実現され、全員で目的意識を共有しながら共通の目的地へと向かうことができるでしょう。

「これまでのキャリアを振り返ってみると、マーケティングチームと営業チームの境界線が徐々に薄れてきているのを実感します。業界においては、この2つのチームがやがて1つに融合するでしょう。当社のマーケティングチームと営業チームは近しい関係にありますが、HubSpotのおかげでさらに連携が強まったように感じます」

-- TransForce最高営業責任者、Theresa Russel氏

第5章

人間の仕事とAIの仕事は二者択一ではない

顧客エンゲージメント戦略の一環としてつながり創出にAIを活用すると言うと、それに頼り過ぎるあまりにつながりが空洞化し、人と人とのあるべき対話が失われるのではないかと懸念する意見も多く挙がります。実際のところ、成長を遂げるにはバランスの取れたアプローチが重要になります。

つながりの構築にチームワークが大切であることは先に述べた通りです。

そして成長には、担当者による対応と一括対応の両方が欠かせません。一方が他方の代わりになるようなものではなく、担当者とテクノロジーがハーモニーを奏でるように、うまく調和させることが必要です。Marketing AI Instituteの創設者兼CEOであるPaul Roetzer氏が語るように「AIがマーケティング担当者に取って代わることはないが、AIを活用するマーケティング担当者が、そうでないマーケティング担当者に取って代わることになる」と予想されています。 

人間の担当者とAIの連携は、顧客と強固なつながりを築くための鍵です。顧客は主導権と選択肢を手にすることを望んでいます。AIは顧客の効果的な目標達成を後押しし、それに伴って担当者は一段上のスキルを身につけられるようになります。


カスタマージャーニー全体でのエンゲージメント

カスタマージャーニーのステージが進むにつれて、AIを活用しながら担当者による対応を戦略的に組み込む機会が増えていきます。人とテクノロジーの連携によって最高の顧客体験を実現しようとする、協調的なアプローチです。

カスタマージャーニーの後方のステージほど、担当者による働きかけとAIツールを併用している割合は高くなります(英語)。

 

カスタマージャーニーのステージ別の担当者対応ツールと一括対応ツールの使用割合

つながり支援ツールの使用割合(%)

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解説:このグラフは、つながり支援ツールまたは機能の使用状況を基にお客さまの成約件数の前年比増加率を予測するために設計されたモデルに基づいたものです。

 

担当者対応と一括対応は、どちらか片方だけを実施しても多くのことを達成できます。しかし、組み合わせることで何倍もの効果が得られます。

 

ツールを使用するステージ数と成長率の中央値

(500件以上のレコードに対して各ステージで1つ以上のツールを使用)

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解説:この表は、Marketing Hub Professional/Enterprise、Sales Hub Professional/Enterprise、またはService Hub Professional/Enterpriseを2年以上ご利用いただいているお客さま(n=5,484)によってHubSpotのCRM内で「成約」ステータスに設定された2022年の取引件数を2021年と比較した増加率の中央値に基づいたものです。

 

このデータによると、ライフサイクル全体にわたって担当者対応と一括対応を組み合わせている企業は、19%の成長(英語)を達成しています。

AI駆動のつながり支援ツールは、カスタマージャーニーの早い段階で最高のパフォーマンスを発揮します。後半のステージに進むと、担当者主導のツールを積極的に使用していく必要があります。実際、取引の進行中や契約後の段階で担当者からの働きかけをおろそかにすると、マイナス成長(-1%)を引き起こす恐れがあります(英語)。

有益で定期的に連絡が取れるタッチポイントを一貫して確保することで、顧客に自社がもたらす真の価値を示せるだけでなく、つながりを深めて長期的に顧客を維持することもできます。

次に、メガネレンズメーカーのNeurolensでデジタル マーケティング マネージャーを務め、HubSpotユーザーでもあるChelsey Puckett氏に、顧客とつながるタッチポイントにおいてエンゲージメントを促進するのに効果的な方法をいくつか挙げていただきました。

営業担当者が直接やりとりする場合には、透明性や関連性が高く有意義なメッセージを発信すること、そしてマーケティングメッセージとの整合性を保つことを心がけています。顧客は自分が見たいものにしか目を向けません。常にコミュニケーションの一貫性を重視し、当社のウェブサイトやその他の手段でやりとりした内容を踏まえてお客さまに対応しています。

Chelsey Puckett氏

デジタル マーケティング マネージャー

Neurolens

実践のためのヒント

アイデアを行動に移す準備はできましたか。製造業界のコネクターから伺った推奨事項をいくつかご紹介します。

中にはごく一般的だと感じるものもあるかもしれません。しかし、基本をしっかり押さえることは、顧客との効果的なつながりを通して成長を促進する上でとても大切です。以下のいずれにもまだ取り組んでいない場合には、早速始めてみましょう。既に取り組んでいる場合には、現状を精査しプロセスを最適化することをおすすめします。

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Eメール戦略

似たような種類のEメールを何度も送信するのはやめましょう。顧客や見込み客が興味を失ったり負担に感じたりして、徐々に離れていく恐れがあります。 
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ファーストパーティーデータ

HubSpotポータルで利用できる豊富なファーストパーティーデータと社内のナレッジを活用して、顧客の個別のニーズに合わせてメッセージをパーソナライズしましょう。
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オートメーションのカスタマイズ

自動配信しているコンテンツが、本当に顧客の関心に合わせて細かく調整されているかを確認します。画一的な内容や無機質なメッセージは避け、必要に応じてパーソナライズしましょう。 
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チャットボット

高度なチャットボットの機能をOperations Hubと連携させて活用しましょう。この強力な組み合わせにより、訪問者の体験をきめ細かくカスタマイズし、求めている情報へと的確に誘導することができます。
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A/Bテスト

Eメールの形式、件名、メッセージスタイルをいくつも試して、オーディエンスの心に強く訴えられるものを見つけましょう。常に関心を持ってもらえるように働きかけていれば、次のメッセージを心待ちにしてくれるようになります。A/Bテストはウェブページにも有効です。
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ワークフロー

ワークフローを利用してドリップキャンペーンを実施すれば、一定のスケジュールで戦略的にオーディエンスとのつながりを確立できます。例えば、週に1件のメッセージを7週間にわたって送信して、関係を徐々に構築していきましょう。段階的に進めることで、コミュニケーションの関連性や効果を確保できます。 
さて、たくさんのトピックについてご説明してきました。次の章ではここまでの内容をまとめます。

第6章

AI時代の成功の秘訣

AI時代のカスタマージャーニーに合わせて、市場投入戦略の見直しが求められています。この変化し続ける環境に対応し、自信を持ってかじ取りをしていくにはどうすればよいのでしょうか。

パーソナライズよりもパーソナル

カスタマージャーニーにおいては、基本的なパーソナライズだけでは不十分です。顧客固有のニーズや好みに真に寄り添えるよう、高度に個別化した「パーソナル」な体験を提供する必要があります。

量よりも価値

量が多いことを至上とする考えにとらわれてはいけません。コンテンツに関しては、量よりも質が肝心です。次々にコンテンツを配信したくなる気持ちをぐっとこらえて、学習や着想、課題解決に役立つような、価値の高いコンテンツの提供に全力を注ぎましょう。

販売よりも課題解決

この新たな時代に営業担当者に求められる役割は、信頼できるアドバイザーと問題解決の専門家です。顧客がアドバイスや参考になる情報、課題解決のサポートを必要としているときには、すかさず助けになりましょう。信頼できる味方の立場を確立することで、顧客とのつながりが深まり、長期にわたるロイヤルティーを醸成できます。

 

先行きは不透明、それでも将来への投資には踏み出せる

予算縮小の傾向は今後も続くでしょう。今はストレスを感じるかもしれませんが、コラボレーションや連携に取り組む絶好のチャンスでもあります。厳しい状況に置かれているときこそ、共通の目標に向かって賢く努力できるものです。

Jessica King

カスタマー サクセス マネージャー

HubSpot

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未来を占うまでもなく、変化はいつもすぐそこに迫っています。 

現状に対して早急な対応が求められているのは間違いありません。しかし、重要なのは、直近の一時的な苦境のさらに先を思い描くことです。今を乗り切るためだけに成長を目指すのではなく、現在のマクロ経済面の課題を乗り越えた後も、成長を追求し続けていく必要があります。

今はまだそれほどメリットがないからと言って、将来の戦略を策定せずに先送りするのはやめましょう。短期と長期の計画を立て、積極的に成果を追跡、モニタリングできるようにしておくことが大切です。

真のトップ企業は、イノベーションや先進性に関して競合相手の数歩先を行っています。製造業界のトップクラスのコネクターが変革に向けて既に準備を進めていることは、データを見ても明らかです。

 

製造のリーダー企業は将来に投資している

製造業界の上位コネクターは、絶えず変化するビジネス環境に適応し、時代を先取りしていく必要があることを理解しています。その上で、成長の促進、顧客体験の強化、市場における可能性の最大化を行うための重要な施策を採用しています。製造業界のトップコネクター数社に、今後の成長のためにどのようなことを実施しているかを尋ねたところ、以下の通り、将来を見据えた独自の取り組みと準備を行っていることが分かりました。

製造業界の上位コネクターは、先行き不透明な現状を受け入れながら、長期的な成長に向けて果敢に行動し、真のレジリエンス(困難からの回復力)と先見性を示しています。こうした業界のリーダー企業は、絶えず変化する市場の動向に対応することの重要性を理解しており、この機会に戦略を見直し、カスタマージャーニー全体にわたって新しいアプローチを確立し、最先端のソフトウェアソリューションに戦略的投資を行っています。

成長とは、困難や障害に出会っても物ともせずに乗り越えていくこと――それを忘れてはいけません。現状に甘んじることなく、目の前にある困難に立ち向かいましょう。本当の意味で成長するためには、変化を受け入れ、居心地の良い環境から一歩踏み出す必要があることを、優れた企業は知っています。そして揺るぎない決意の下、変化する顧客のニーズや期待に沿った新たな戦略や手法を模索することに注力しています。

コネクターは短期的な利益やつかの間の成功に満足せず、長期的な成長を見据えて、それを確実に実現するべく戦略的に飛躍を遂げようとしています。

困難を受け止め、新しい戦略を模索し、最先端のソフトウェアに投資しようとする姿勢が、真のコネクターたる所以です。顧客起点の成長を推進するために全力を注いでいるからこそ、この業界をリードする存在として際立っているのです。

 

新時代はまだ始まったばかり

ここまで述べてきたことを踏まえて、本ガイドの冒頭部分を振り返ってみてください。AIに関しては表面的なことしか取り上げていません。

あらゆるものが電光石火のスピードで変化している現代において、確実に成功を収めているコネクターは、どこまでも顧客に寄り添うことで、傑出した存在になっています。

HubSpotも、この理念を体現しています。当社は単なる企業ではなく、お客さまとのつながりを基盤とするコミュニティーを構築しているのです。皆さまがAIを活用して顧客とのつながりを強化し、これまでにない成長を遂げていかれるのをとても楽しみにしています。

不安や迷いが生じたときは、「顧客に寄り添う」という基本原則に立ち返ってください。顧客は、未知の世界で進むべき方向を示してくれる羅針盤です。しっかりと意見を聞いて、ニーズを把握し、それに応じた戦略を策定することで、取引を超えた絆が育まれ、ビジネスを変革することができます。


AIがもたらす可能性は生かしつつも、人間による介入の重要性を忘れてはいけません。最先端のテクノロジーに、心からの共感やパーソナルな顧客体験をうまく融合させましょう。絶妙なタイミングでの冗談や明るい笑顔も、時にそれだけで顧客の1日を彩るほどの力を持っています。結局は、ちょっとくだけているほうが、有意義なつながりを築く効果があるのです。

イノベーションと無限の可能性に支えられた新しい世界を見渡しながら、これまで以上につながりを深め、力強く、効果的に成長するチャンスをつかみましょう。

ツールやリソースを自由に活用し、恐れずに成長を追求してください。

第7章

顧客とのつながりを支援するHubSpotの機能

上位コネクターの成功について詳しく調査すると、当社のカスタマープラットフォームを通じた主な成長要因は業界ごとにかなり異なるという興味深いパターンが見られました。製造業の場合は、アウトバウンドコール、ミーティング、チケットの機能がコネクターの卓越した成長に大きく貢献していました(英語)。

当社は、広範な要素を連係させる施策の一環として、シーケンスにアウトバウンドコールを組み込んでいます。やみくもにコールドコールをかけるのではなく、協調的なプロセスの中で架電できることが大きな強みです。必要なときに必要な情報をエンゲージメントに基づいて確認できます。

Jonathan Dolby氏

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ミーティングリンクの最適な活用方法は、それぞれの組織の課題やニーズによって異なります。さまざまなアプローチを試し、効果を測定しながら、徐々に戦略を磨き上げてください。

皆さまがミーティングリンクを最大限に活用し、これまで以上のつながりを顧客と築けるよう、HubSpotは必要なツールと分析情報を提供し、皆さまの段階に応じてご支援いたします。

HubSpotのカスタマー サクセス マネージャーを務めるSavannah Mozingoは、展示会から顧客とのミーティングへとつなげる方法を次のように説明します。

初めての相手と名刺を交換したら、HubSpotモバイルアプリの名刺スキャナーを使用して、貴重な新規リードの情報を全て取り込んでおきます。マーケティング用のリストを作成し、どの展示会の参加者だったか分かるようにタグを付けます。展示会で会ったことを明記してEメールを作成し、ミーティングを予約するためのリンクを挿入して自動送信するだけで、対象者へのマーケティングをすぐに始められます。

Savannah Mozingo

カスタマー サクセス マネージャー

HubSpot

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新しいリードが創出されたときは、既存のテンプレートを使って簡単な営業Eメールを送るようにしていて、時にはHubSpotモバイルアプリから直接送信します。そうすることで、受信者は私とのミーティングを簡単に予約できます。予約が入ると私のカレンダーに登録されるので、ミーティングの予定をすぐに確認できます」

Michael Womack氏

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チケット管理システムが標準化されているため、対応漏れはほぼ発生しません。

Chelsey Puckett氏

デジタル マーケティング マネージャー

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HubSpotの最新機能のご紹介

HubSpotでは、お客さまのビジネス成長をどのように支援できるかを常に考えています。2023年は、前例のない変化の中にあっても成長戦略を加速することを目的とした新しいソリューションやサービスをリリースしています。

皆さまの成長に役立つプラットフォームに追加された革新的な新機能や機能強化を詳しく見ていきましょう。


Sales Hubのリニューアル

Sales Hubに新しい営業エンゲージメント機能が搭載されました。この新機能は、営業担当者の生産性を高めるとともに、顧客や見込み客とのつながりを強化できるように設計されています。

この高度な営業エンゲージメントツールを使うと、相手の背景を踏まえた関連性のあるコミュニケーションによって多くの情報に埋もれることなく理想的な顧客とつながりを築き、多くの案件を創出できるようになります。

営業活動管理ワークスペースでは、営業担当者が全ての担当業務を一元管理できます。あらゆるツールとデータが1つの画面に集約されており、複数のアプリやシステムを行き来する必要がないため、パフォーマンスを発揮することに専念できます。  

また、さらに高度になったシーケンスにより、セールスオートメーションを効率的に実行できるようになります。EメールのA/Bテストを行い、どのシーケンスが最も収益を生み出しているかを確認し、各ステップの有効性について掘り下げて、それぞれのタッチポイントの効果を最大化できます。


コンテンツアシスタント

コンテンツ制作が進まずに悩むことはもうありません。コンテンツアシスタントは、良質なコンテンツづくりの助けになります。まるで信頼できる秘書のように、コンテンツ制作時にリアルタイムで下書きの生成、提案、推奨をしてくれます。興味をそそるブログ記事、マーケティングEメール、SNSのキャプションを数時間もかからず数分で作成できます。訴求力のある営業Eメール、魅力的なマーケティングコンテンツ、顧客への簡単な返信など、あらゆる種類のコンテンツを完成度高く仕上げるのに役立ちます。

 


ChatSpot

HubSpotのCRMをはじめ、さまざまな固有のデータソースをChatGPTと組み合わせることで、生産性がかつてないほど高まります。ChatSpotは、ビジネス成長を支援する、営業やマーケティングのための高性能AIアシスタントです。オーディエンスの心をつかむブログ記事やSNS投稿、Eメールを作成したり、画像を自動生成したり、社内の編集作業に役立てられます。また、自然言語の入力でHubSpotのCRMを操作できます。例えば「前四半期の売上レポートを作成して」とChatSpotに指示するだけでデータが取得されます。従来の方法でレポートを作成する必要はもうありません。便利なチャット型プラットフォームを活用して、成長への道を切り開きましょう。

 

2023年リリースの新機能・機能強化の詳細

HubSpotの新機能のご紹介ページで詳しくご覧いただけます。

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付録:現状把握チェックリスト

AIの時代において成功を収めるには、顧客との有意義なつながりが欠かせません。しかし、どの程度つながりを築けているかが分からなければ、最善は尽くせないでしょう。このチェックリストでは、顧客とのつながりの現状だけでなく、改善に向けた実用的なステップも把握することができます。※現在英語版でのご提供となります

成長戦略について時間を割いてお話を聞かせてくださったHubSpotのお客さまに心より感謝申し上げます。

貴重なご意見とご経験を快く共有していただいたおかげで、本ガイドを作成することができました。ご協力いただき、本当にありがとうございます。

さあ始めましょう

顧客と効果的につながるための取り組みを、全て自力で進める必要はありません。HubSpotの専任のカスタマー サクセス マネージャー(CSM)が、あらゆる段階でお客さまをサポートします。