インバウンドマーケティングとは、ターゲットオーディエンスのニーズに寄り添い、ロイヤルティーの高い顧客を惹きつけるマーケティング手法です。価値あるコンテンツを通じて相手に合わせたマーケティングを実施することが、顧客エンゲージメントとビジネス成長を促す鍵となります。
インバウンドとは、消費者、見込み客、顧客との間に有意義で長続きする関係を作り上げることで組織成長を目指す考え方であり、無理に注意を引こうとする従来の広告手法とは対極に位置するものです。顧客を尊重し、顧客がカスタマージャーニーのあらゆる段階で目的を達成できるよう支援することが重視されます。
なぜなら、顧客が成功をつかむことが自社の成功にもつながるからです。
インバウンドは次の3つの方法を通じて実践されます。
製品やサービスを利用してビジネス目標を達成できた顧客から成功体験が周囲に共有されると、話を聞きつけて新しい見込み客がやって来ます。それが何度も繰り返されるうちに、ひとりでに回転を続ける好循環が生まれ、ビジネスの勢いが作り出されます。だからこそ、インバウンドの思想は、当社が提唱する円環型のフライホイールモデルの強力な基盤となるのです。
ターゲットオーディエンスに効果的に働きかけるには、インバウンドマーケティングにビジネスの焦点を移す必要があります。HubSpotの共同創業者のブライアン・ハリガンによると「参考になる情報が詰まったリッチコンテンツを作成すれば、多くの人が関心を寄せ、好きになって」くれます。SNSやブログ運用、Eメールマーケティング、良質なウェブサイトの構築を通じて、情報豊富で魅力的な価値あるコンテンツを発信し、人々を呼び込み、心からのつながりを育むことができます。インバウンドの思想によって、新しい見込み客を惹きつけ、最終的にビジネス成長を促進するためのエネルギーを生み出す強力な基盤が構築されるのです。
インバウンドマーケティングを取り入れれば、ターゲットオーディエンスを自ずと引き寄せる効果的なマーケティングを展開できます。インバウンドの3段階にそれぞれ適切に取り組み、フライホイールを回転させ続けて自社ビジネスの成長を促しましょう(英語)。
ターゲットオーディエンスやバイヤーペルソナを惹きつけるためのインバウンドマーケティング戦略は、コンテンツの作成や開発が中心となります。
オーディエンスにアプローチする最初の手段として、ブログ記事、コンテンツオファー、SNS投稿など、価値を提供するコンテンツを作成し公開します。具体的には、製品の使い方や解決できる課題についての説明、顧客の推薦コメント、キャンペーンや割引の詳細情報などが考えられます。
この施策の深度をさらに高めるには、こうしたコンテンツ全てにSEO(検索エンジン最適化)を施すと効果的です。自社の製品やサービス、自社が解決できる顧客の課題、顧客を支援する方法などに関連する具体的なキーワードやフレーズを選びましょう。
SEOを実施すると、関連情報を検索した結果ページに自社のコンテンツや情報が表示されるようになります。こうして自社の情報を見つけてくれる人々こそがターゲットオーディエンスであり、理想的な顧客です。
インバウンドマーケティングでオーディエンスと信頼関係を築くには、長期的な関係を築きたいと思ってもらえる方法で対話や対応を進めることが重要です。Engage段階の戦略を実施する際は自社が提供できる価値についての情報を差し込みます。
この段階の戦略の1つに問い合わせ電話への対応と管理が挙げられます。何らかの興味を持って電話をかけてきた相手に対して、カスタマーサービス担当者がどのように応じているかに注目しましょう。加えて、販売しているのは製品ではなくソリューションなのだという意識も常に忘れてはなりません。そうすれば、あらゆる契約が顧客と自社の双方にとってメリットのあるものになります。つまり、自社と相性の良い顧客と成約し、十分な価値を提供できます。
Delight段階では、購入後も長期にわたって顧客の満足度を保ち、支援し続けます。ここでの戦略には、チームメンバーがアドバイザーや専門家となり、いつでも顧客を支援できるようにすることも含まれます。
相手の行動を踏まえた適切なタイミングでチャットボットやアンケートを表示して、顧客を支援したりフィードバックを依頼したりすると、顧客の満足につながるでしょう。チャットボットやアンケートは、カスタマージャーニーのどのタイミングで表示することが妥当で価値を生むかを考えて活用するようにしてください。
例えばチャットボットは、新たに提供を開始した技術や戦術を利用する既存顧客の設定作業を支援できます。満足度アンケートは製品やサービスの購入から6か月後に送信することで、フィードバックをもらって改善の参考にできます。
さらに、ソーシャルリスニングも重要な戦略の1つです。ソーシャルメディアのユーザーは、企業のアカウント宛てに意見や質問、製品やサービスを利用した感想を送ることができます。このようなメッセージに対しては、相手にとって支援や励ましになるような内容で反応し、フォロワーの言葉に注意を傾けていること、フォロワーを大切に思っていることを伝えましょう。
最後にもう1つ、顧客満足を追求する上で大切なのは、どのような状況においても、つまり自社の利益にならない場合であっても顧客の助けになろうとすることです。満足した顧客は、そのブランドの賛同者や推奨者に変わるため、大小を問わずどのようなやりとりでも丁寧な対応を心がけてください。
インバウンドマーケティングの目標とは、新しい見込み客を呼び込むこと、大勢と信頼関係を築くこと、そして1人ひとりに満足してもらうことです。
また、フライホイールを効果的に回し続けてビジネス成長を促進できるよう、営業やカスタマーサービスの部門と協力する必要もあります。大きな任務ですが、インバウンドの思想とMarketing Hubを組み合わせれば難しいことではありません。
Attract段階で役立つツール | Engage段階で役立つツール | Delight段階で役立つツール |
広告 動画 ブログ ソーシャルメディア コンテンツ戦略 |
ポップアップフォーム Eメールマーケティング 見込み客管理 チャットボット マーケティングオートメーション |
スマートコンテンツ Eメールマーケティング コミュニケーションの受信トレイ アトリビューション(属性)レポート マーケティングオートメーション |
誰かれ構わずウェブサイトに誘導すればよいわけではありません。引き合いにつながる可能性が高く、最終的に顧客として満足してもらえるような訪問者を集めることが重要です。そのためには、関連性のあるコンテンツを用意し、ターゲット層にタイミングよく発信して、心をつかむ必要があります。
コンテンツ戦略ツールを使用すると、ターゲットオーディエンスにとって最も重要なトピックを見極め、関連キーワードでの検索順位やオーソリティー(権威性)を高められます。ブログ記事や動画コンテンツをソーシャルメディアに投稿するには、SNSアカウント管理ツールが便利です。また、広告を作成して、ターゲットオーディエンスのブランド認知度を向上できます。こうした取り組みの各段階でレポートや分析の機能を活用すれば、効果の高い要素や改善すべき領域を常に把握できます。
コミュニケーション管理ツールでは、Eメールやチャットボット、ウェブチャット、メッセージングアプリなど、見込み客が選んだチャネル上で長期的な関係を構築できます。また、CTA(Call-To-Action)、フォーム、ポップアップフォームといったコンバージョンに役立つ各種ツールによって、ウェブサイトを訪問した見込み客の情報を収集できます。
CRMに保存した見込み客や顧客に関する全ての情報を基に、スマートコンテンツを使ったウェブサイトのパーソナライズや、Eメールやワークフローによるカスタマージャーニー全体のパーソナライズを実施できます。ブランドロイヤルティーを高めるには、特定のオーディエンスを対象としたSNS投稿や広告配信が効果的です。また、HubSpotアプリマーケットプレイスに数多く掲載されている中から、自社のニーズに最も適したものを選んで連携できます。
コミュニケーション管理ツールに加えて、Eメールやマーケティングオートメーションを活用することで、適切な情報を適切な相手に適切なタイミングで提供できます。HubSpotの受信トレイでは、営業やカスタマーサービスのチームメンバーと協力しながら、見込み客や顧客の状況に応じたコミュニケーションを図ることができます。動画などの相手に好まれる形式でコンテンツを作成すれば、記憶に残りやすく、友人や家族に共有してもらえる可能性も高まります。
インバウンドの思想とHubSpotのソフトウェアを組み合わせれば、顧客にさらなる購入を促し、長期的な関係を築いて、友人に紹介したり好意的なレビューを発信したりしてもらえるようになり、結果としてビジネスを飛躍させることができます。
HubSpotアカデミーの無料講座では、無料のツールで実践しながらインバウンドマーケティングについて理解でき、修了後は認定を取得できます。しっかりと理解してインバウンド思想を取り入れれば、自社のビジネス成長に加え、ご自身のキャリアアップにもつながります。ぜひHubSpotアカデミーをご利用ください。