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2020年版ウェブ戦略

これからのウェブ戦略では、徹底したユーザー主体の姿勢が必要です。今回ご紹介するトレンドや分析データを今後の活動の参考にしてください。

Debbie Farese

グローバルウェブ戦略担当ディレクター

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HubSpot Researchが実施した最近の調査によると、マーケティング担当者の63%が2020年中にウェブサイトの強化を予定していると回答しています。皆さんの企業はどうでしょうか?

2020年にウェブサイトの強化に取り組む予定ですか?

ウェブ戦略について論じる場合、コピーライティングからコンバージョン率最適化などについてはよく言及されます。一方で、ウェブサイトの最適化と全体的なウェブ戦略という観点で重要な「アクセシビリティー」はあまり議論されませんが、今後重点的に取り組むべき目標の1つだと言えます。

アクセシビリティーは意味の広い言葉ですが、この記事では特にモバイルデバイスへの継続的かつ大幅なシフト、情報の透明化と開示、ユーザーの意図の適切な解釈にポイントを絞って説明していきます。これからのウェブ戦略では、ユーザーニーズを第一に考えることがますます重要になります。優れたユーザーエクスペリエンスを提供することで、自社のメッセージが伝わりやすくなり、ビジネス目標の達成へと近づくことができるでしょう。

保有する情報はできる限り開示し、ユーザーの満足度を高めよう

情報はできる限りオープンにしましょう。ユーザーは自らがサイト内容の主導権を握っているかのような感覚を求めています。そのため、情報を出し惜しみせず、少しでも多くのコンテンツを共有してユーザーの欲求を満たすことが大切なのです。価格ページが良い例です。製品の価格を顧客がいつでも見られるようにしておけば、ブランドへの信頼性が高まるだけでなく、プロスペクトを自然に選別することもできます。価格ページをすばやく見つけてもらうためには、メインのナビゲーションとホームページにリンクを張っておくことも効果的です。わかりやすい価格設定を心がけると共に明瞭なCTAを配置することで、製品の購入を促しましょう。

B2C企業による情報の透明化の見本となる例として、アパレル企業Everlaneのサイトを紹介しましょう。同社の製品ページにはすべて、次のようなセクションが設けられています。

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この価格構成の一切を明らかにするという誠実なアプローチは、ブランドの信頼性の向上につながると共に、購入の決定権が自分にあるということを顧客がいっそう実感できるようになります。

製品レビューも有用なツールです。一般的に、プロスペクトは他の顧客の意見を信頼する傾向にあるため、レビューを活用して購入につなげましょう。このような情報を先回りして開示することにより、プロスペクトとの信頼関係を積極的に構築し、自社が伝えたいメッセージを相手に提供できるようになります。製品に関する正直なレビューを自社サイトに掲載してもしなくても、プロスペクトはいずれ別の場所でレビューを見つけるだけです。それならば自ら製品ページにレビューを掲載してしまった方が、ブランドへの信頼を構築するのに役立ちます。

価格ページと製品レビューは、プロスペクトに製品の価値を伝え、口コミ効果を促し、販売プロセスをスムーズにするための、ウェブサイトの活用方法のほんの一例にすぎません。こうした情報を自社のサイト以外で探さずに済むようにし、潜在顧客をサイト上にとどめることができれば、潜在顧客、自社双方にとってメリットになります。

モバイル対応とアクセシビリティー対応を重視するべき理由

モバイルの使用率はますます増加する傾向にあり、B2Bビジネスの世界でも、わずか1、2年の間に劇的なシフトが起こっています。モバイルデバイス経由のウェブトラフィックをすべて合わせると、今やその量は世界中のウェブトラフィックの52%に相当します。HubSpotの場合、ブログへのアクセスの46%はモバイル経由です。

もし皆さんがまだモバイルファーストのアプローチに踏み込んでいなければ、今こそやるべ時だと断言します。モバイルへの適応を目指すと、アイデアをいっそう綿密に練り、簡潔なコンテンツを作成せざるを得なくなります。これは、コンテンツを単に短くするという提案ではありません。大切なのは言葉の簡潔性とわかりやすさです。情報をテンポよく区切って伝えることで、相手の関心を維持し、読み続けてもらいやすくなります。

これを非常にうまく実現している例としてSlackが挙げられます。同社のモバイルサイトはレスポンスが速く、見た目が美しく、メッセージも簡潔です。さらにスマートなカスタムCTAは、あらゆるモバイルOSからのサイトアクセスに対応します。

Slackモバイル向けウェブサイト

カスタムのCTAを配置したSlackのモバイル向けホームページ

モバイル重視のアプローチを強化すると同時に、アクセシビリティーへの対応も強化する必要があります。

HubSpotでも、2020年の重要指標にアクセシビリティーの強化を掲げています。HubSpotのサイトはHubSpot CMS上で運営されているため、すべてのマーケティング担当者が簡単にコンテンツの作成や編集を行えますが、私たちは当社のウェブサイトをすべての人にとって利用しやすいものにするべく、着実に改善を積み重ねています。

この施策へのアドバイスをもらうべく、Wunderman Thompsonでアクセシビリティーデザインのリーダーを務めるChristina Mallon氏に相談したことがあります。プレゼンでの開口一番、Mallon氏はこう言いました。「全米の6,100万人のユーザーは、皆さんのマーケティングコンテンツの対象から外れていると言ったら、どう思いますか? 米国居住者の4人に1人は心身の機能に制約を抱えています」。

私たちはこの言葉を聞き、すべてのマーケティング担当者はアクセシビリティーを推し進めるべきだという確信をさらに強めることになりました。まだまだ完璧とは言えませんが、HubSpotでは専任チームを編成してプロセスの改善に取り組んでいます。

アクセシビリティーは属性の問題で、インクルーシブデザインは手法の問題です
Wunderman、Christina Mallon氏

Christina Mallon氏

インクルーシブデザインおよびアクセシビリティー責任者

何から手を付けるべきか検討しているなら、まずはウェブ コンテンツ アクセシビリティー ガイドライン(WCAG)で知識を蓄え、あらゆる人が使いやすいウェブデザインやコンテンツ制作のプロセスを整備することをおすすめします。

ユーザーエクスペリエンスを向上するため、フォントや文字のサイズに配慮し、テキストリンクをすぐに見分けられるようにしましょう。さらに、どのようなコンテンツがあれば多くのユーザーに対応できるのかを考えます。たとえば、聴覚障害のある人のために動画に字幕を付けるのも良いかもしれません。ブログにページの読み上げ機能を追加するのも良いでしょう。配慮が必要な人に合わせて設計することは、すべての人のメリットになります。外堀を埋めれば、後は収まるところに収まるのです。

ユーザーの選択肢を狭めず、選択肢の更新を怠らない

他の取り組みにも当てはまることですが、ウェブ戦略では自分本位な姿勢は禁物です。自社が期待するコンバージョンパスを、サイトの訪問者に押し付けるのはやめましょう。よくあるのが、アクセスした企業サイトに用意されているCTAが、フォームを送信するタイプの「お問い合わせ」リンクただ1つというケースです。こうしたCTAはたいていの場合うまくいきません。このようなCTAを配置する前に「自社のユーザーに適したコンテンツは何か」「どのような場を用意すればコミュニケーションできるのか」を考えてみるべきです。

まずは、ユーザーの意図を理解することから始めましょう。皆さんのビジネスにどれほど馴染んでいるか、バイヤージャーニーのどの段階にあるかは、サイト訪問者ごとに異なります。知識を得るためのリソースや顧客向けのサポートセンターを探している人がいれば、友人から紹介されてすぐに営業チームと話をしたいという人もいるでしょう。そこで大切なのがウェブサイトの総合マップを作成し、サイトを構成するセクション別の最適なCTAにリンクを張ることです。さらに、ユーザーエクスペリエンスとコンバージョン率の両方を最適化できるよう、ページ単位で時間をかけてテストしていくことをおすすめします。

多くの場合、同じページにアクセスしていても、訪問者の好みやニーズはそれぞれ異なっているものです。そのため、選択の幅を制限しないようにしましょう。効果の出にくい、フォームを使った「お問い合わせ」ページだけに頼らず、コールセンターの電話番号やオンラインチャット機能を追加してみてください。ウェブチャットに対応できる担当者がいない場合には、チャットボットを活用することもできます。HubSpot自身の例で言うと、カレンダーツールの導入が非常に役立っています。このツールにより、ユーザーは自分の都合の良い時間にミーティングの予約を入れ、営業担当者と話をすることができます。もう1つの優れた例として、総合デジタル サービス エージェンシーSalted Stoneの問い合わせページをご紹介しましょう。

Salted Stone Contact Us Page

Salted Stoneの問い合わせページ

いつでも相手の好きな方法で問い合わせができるよう、さまざまな手段を提供するようにしてください。

おすすめのウェブ戦略リソース

ウェブ体験の向上に役立つ、私のお気に入りのツールをいくつか紹介します。
  • Stark:コントラストチェッカーと色覚シミュレーター
  • WAVE:ウェブアクセシビリティーの評価ツール
  • Lighthouse:ページ読み込み時間のテストツール
  • BrowserStack:アプリとブラウザーのテストツール

ウェブ戦略の最新動向をチェック

さて、皆さんの今後のウェブ戦略の見通しはいかがでしょうか?HubSpotでは、世界中の約3,400人のマーケティング担当者へのアンケートに基づく70項目以上の調査データとトレンドをレポートにまとめました。これらのデータをウェブ戦略の方針決定の参考にしていただければ幸いです。下のバナーのダウンロードボタンをクリックすると、HubSpotの調査データを詳しくご覧いただけます。

Debbie Farese

グローバルウェブ戦略担当ディレクター

HubSpotのDebbie Fareseが最新のウェブサイト戦略について解説します。成功の鍵は、自社の都合を優先させないことです。徹底したユーザー主体の姿勢を貫きましょう。この記事をお読みになり、レポートをダウンロードしてデータをご確認ください。

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