新型コロナウイルス感染症拡大は、日常生活だけでなく、ビジネスシーン、特に営業活動に多大な変化をもたらしました。以前ほど訪問営業を行いにくくなった状況を受けて、2020年は電話・Eメール・DM・ビデオ会議などを用いた非訪問型の営業スタイルである「インサイドセールス」を取り入れる企業が増加しています。
HubSpot Japanは、2019年から「日本企業の売上を支える営業組織の現状と課題を明らかにし、日本の営業組織の次のステップを考察する」ことを目的に、法人営業に関する実態と意識を年次で調査、発表しています(2019年の調査データはこちら / 2020年の調査データはこちら)。
2020年の調査では、調査対象企業の37.4%がインサイドセールス組織を導入し、うち46.9%が1年以内に導入したと回答しました。
また、買い手側の意識調査では、訪問営業よりも「非訪問営業が好ましい」という回答が上回る結果に。2019年12月の調査では逆の結果だったため、1年間で買い手側の意識が逆転するかたちとなりました。
大きな変化がもたらされた2020年を経て、2021年にはどのような変化が起こったのでしょうか。
当社は2021年12月にも同様の調査を実施。今回は新型コロナウイルスによる制約が常態化した社会において、営業にまつわる実態や意識にどのような変化があったかに着目しました。
こちらのページでは、当該調査から得られたデータをテーマごとに分類し、HubSpotの考察も一部交えながらご紹介いたします。
なお、「インサイドセールス」という言葉は内勤/外勤の別に関わらず「受注を専門とする営業担当部門が見込み客とコミュニケーションを取る前の段階で見込み客のニーズや課題を整理し、購買プロセスの適切なタイミングで商談へ繋げる」という機能を指すこともありますが、こちらのページで使用する「インサイドセールス」は、「Eメール・電話・DM・ビデオ会議などを用いた非訪問型の営業手法」と定義します。
【調査実施概要】本調査を42ページにまとめたデータ集は下記からダウンロードいただけます
日本企業のインサイド
セールス導入率
インサイドセールス導入企業のうち、直近1年以内に導入した企業
売り手全体のテレワーク導入率
日本の売り手全体のCRM導入率
従業員数10名以上の米国企業のCRM導入率
「ビジネスシーンにおいて、あなたはどのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか?」という問いに対し、トップ3は下記の通りになった。
1位「信頼できる」(33.6%)
2位「製品の品質が高い」(30.1%)
3位「価格に見合う製品やサービスを提供している」(27.6%)
2020年4月にHubSpotが米国で同様の調査をした際には1位に「信頼できる」と「顧客やコミュニティーを気にかけている」が並び、3位が「カスタマーサービスの質が高い」となった。(※ 設問設計が異なるため参考値)
売り手全体に「あなたの会社は営業組織におけるDX推進のために積極的に取り組んでいると思いますか?」という問いに対し、「そう思う」または「ややそう思う」と答えた人の割合は売り手全体で36%。
上記で「そう思う」「ややそう思う」と答えた人のうち、会社の推進の取り組みが
実際に営業組織の競争力向上につながっていると答えた人は31.9%に留まった。
「DXを営業組織に導入する際に課題になるのは?(複数回答)」という問いに対し、「DXを担う人材の教育が難しい・人材の確保が難しい」という回答が56.0%とトップ。
その他「そもそも何から始めたらよいかわからない」を除くすべての項目について4割以上の人が課題感を感じている。